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用もないのに


共感できるところが多いエッセイ。

  • 結果論で言うわけではないが、わたしはこうなる気がしていた。星野監督は五輪前に「ベースボールのすばらしさを世界に伝えたい」とのたまっていたが、わたしはこのチームの戦いに魅力を感じたことは一度もなかった。美しさも、官能も、ユウキも、粋も、何一つ無い。仮に勝ったところで、誰も憧れない野球なのだ。(再び、泳いで帰れ。8月22日)
  • そもそも星野ジャパンについて、わたしは最初から懐疑的だった。サッカー日本代表の人気に目をつけた広告代理店筋が、野球でもそれを出来ないかと画策し、五輪野球を利用した。そしてプロ野球機構と手を組み、野球日本代表を金のなる木にしようとした(再び、泳いで帰れ。8月23日)
  • 恐らく日本なら、危険という理由でこういうスタンドは作られないだろう。内野のネットも同じで、選択の問題なのだ。楽しさを取るか、安全を取るか。アメリカは自己責任において前者を選択する。日本は事なかれ主義で、呆気なく楽しさを捨てる。(アット・ニューヨーク)
  • イラク戦争のとき、アメリカとフランスは対立した。激しい言葉でやりあったが、自由の女神像がある限り、深刻な仲たがいにはならない気がする。なんたって、アメリカ人のアイドルを送ったのである(アット・ニューヨーク)
  • 好きな場所は、空いている場所だ。座右の銘は、「いい人は家にいる」だ。旅人とグルメにろくなやつはいない。用もないのに出歩くな。出されたものを静かに食え。国の標語にしたいくらいである。(灼熱の「愛知万博」駆け込み行列ルポ)
  • 日本人は無宗教だと言う人がいるが、それはとんでもない話である。一神教のように社会的プレッシャーを受けないでごく自然な信仰心は、地球上でも稀な自由で緩やかなものなのだ。だいいち「ご利益」という言葉がいい。他の宗教、は赦しを請うためにお祈りしている。(四国お遍路 歩き旅)


用もないのに (文春文庫)

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